資料庫

東海の弥生フロンティア
2005年4月26日(火)〜6月26日(日)

パレス式土器の壺(重要文化財)
高さ32.0cm
名古屋市 高蔵遺跡
東京国立博物館所蔵

 弥生時代後期の尾張地方では、赤く彩色された独特な土器が作られました。この壺は、日本考古学の発展に大きな足跡を残した浜田耕作(1881〜1938)が、 その優美な姿からクレタ文明のパレス式と呼ばれている壺になぞらえて命名したことで有名です。

三遠式銅鐸 高さ62.9cm
静岡県引佐郡細江町 悪ヶ谷遺跡
東京国立博物館所蔵

弥生時代後期、三河(愛知県東部)から遠江(静岡県西部)の地域を中心に発見される銅鐸です。模様や飾りの付け方は近畿式と呼ばれる銅鐸とは異なります。東海地方の個性がうかがえます。

 弥生時代とは、日本に水田稲作文化が伝わり、定着した時代です。受け入れ方やその後の展開は、地域によって異なります。今回の特別展では、東海の弥生文化に光をあてます。
  北部九州に伝わった水田稲作文化は、順調に東海西部の濃尾平野まで伝わりました。そして中期になって、東日本にも水田稲作文化が定着します。濃尾平野は、東海東部から関東への本格的な弥生文化波及の発信源となった地域です。展示は3部構成です。第1部は濃尾平野の弥生前期の文化、第2部は東海東部と南関東にひろがった弥生中期の文化、第3部は西日本にはみられない形の青銅器や墓などが現われる弥生後期の文化です。

 出展総数:370点(重要文化財3点を含む)

主  催:大阪府立弥生文化博物館
        文化庁・日本経済新聞社
後  援:テレビ大阪・(財)大阪21世紀協会
協  賛:堺女子短期大学、(株)国際交流サービス

会   期:4月26日(火)〜6月26日(日)
休 館 日:月曜日
入 館 料:一般600円[480円]、
         高大生・65才以上400円[320円]
        [ ]は20名以上団体料金
         中学生以下、障害者手帳をお持ちの方は無料

【展示構成・主な展示品】

T.縄文的な社会と初期水田稲作集落
  弥生文化を持った集団が濃尾平野にはじめて築いた集落のひとつである松河戸(まつかわど)遺跡と、そのとなりの三河にみられる縄文的伝統が残る麻生田大橋(あそうだおおばし)遺跡を紹介します。松河戸遺跡には初期水田稲作にともなうさまざまな道具があり、麻生田大橋遺跡には縄文的な土器棺墓群があります。弥生前期、濃尾平野には弥生的な社会と縄文的な社会が共存していました。
《主な展示品》
  ◎条痕文土器 [麻生田大橋遺跡/愛知県豊川市]
  ◎石棒と土偶 [松河戸遺跡/愛知県春日井市]
  ◎東海地方で最古級の弥生土器[松河戸遺跡/愛知県春日井市]

U.東海西部からひろがる弥生文化
  濃尾平野に定着した弥生文化は、中期になると本格的に東海東部から関東にひろがります。展示では、中期の朝日(あさひ)遺跡を取り上げて、濃尾平野の弥生文化がとても発展していたことを紹介します。次に東海西部や関東南部の代表的な遺跡から、農工具や精神生活を示すまつりの道具を紹介します。東海東部や関東では農具や墓の形が類似するので、東海西部から弥生文化が伝えられ定着したことがわかります。
《主な展示品》
  ◎玉類[朝日遺跡/愛知県西春日井郡清洲町ほか]
  ◎木製の農具[角江(かくえ)遺跡/静岡県浜松市]

V.東海のまつりと前方後方墳
  弥生時代後期、西日本に見られない特徴が現われます。パレス式と呼ばれる優美な土器、三遠式(さんえんしき)と呼ばれる巨大な銅鐸、前方後方形の墓は東海で生み出されたものです。またこのころ西日本から伝わったものに鳥形木製品があります。多数みつかるので、鳥形木製品を使った豊饒を祈るまつりがいっせいに広まったことがうかがえます。
《主な展示品》
  ◎鳥形木製品[雌鹿塚(めがづか)遺跡/静岡県沼津市]
  ◎パレス式土器の壷・重要文化財[高蔵(たかくら)遺跡/愛知県名古屋市]
  ◎三遠式銅鐸[悪ヶ谷(あくがや)遺跡/静岡県引佐郡細江町]

【考古学セミナー】14:00〜16:00(事前のお申込みは不要。受付は13:00〜、当日先着順170名)

第1回/5月8日(日)
「新しい登呂遺跡のすがた−ひとりぼっちでなかった登呂のむら」
中野 宥(なかの・ひろし)(静岡市立登呂博物館)

第2回/5月22日(日)
「東日本弥生人の心をえがく−弥生時代がはじまるころ−」
設楽博己(したら・ひろみ)(駒澤大学助教授)

第3回/6月5日(日)
「東海と関東−人・物・情報の動き−」
安藤広道(あんどう・ひろみち)(慶応義塾大学助教授)

第4回/6月19日(日)
「東海地方の銅鐸に倭国の政治を見る」
水野正好(みずの・まさよし)((財)大阪府文化財センター理事長)

第5回/6月26日(日)
「狗奴国(くなこく)の幻影を求めて」
赤塚次郎(あかつか・じろう)(愛知県埋蔵文化財センター)
※全回出席者には修了証と記念品を贈呈します。


【本館学芸員による展示解説】(申込不要)
  日 時:毎週日曜日と祝休日  いずれも午前11時から
  場 所:特別展示室

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